今年1月の月イチランチは、お客様のリクエストに応じてフレンチにしました。
メニューは
ツナのリエット
レモンドレッシングの彩りサラダ
3種のきのこのポタージュ
鶏のワインビネガー煮込み
ファーブルトン
紅茶またはコーヒー
ツナのリエットは、最近、ご近所にできたパン屋さんで、美味しいカンパーニュセレアル(セレアル⁼穀物が練りこまれた精度の高くない小麦粉や全粒粉、ライ麦などでつくられた田舎パン)に出会ったので、それに塗って食べる美味しいものを何か作りたいと考えていました。
リエットとは、フランス語で「豚肉の塊」といい、本来は、豚肉と脂肪と香辛料で煮込んでペースト状にしたものですが、お正月明けの胃腸に優しいもっとさっぱりとした日本人の口に合う食材で、…と思っていたら、ツナがひらめきました。
ツナは、疲労回復、骨の強くする、貧血予防、血栓や動脈硬化の予防、シミ、しわ、肌荒れを防ぐ、そして、気持ちをお穏やかに安定させるという効果もあります。
あわせたクリームチーズは、血行促進や美肌効果があり、ツナとの相性も良く、玉ねぎやハーブやガーリックで食感と風味付けをしてみました。
サラダには、対人関係のストレスを軽減する効果のあるお野菜を盛り合わせました。
そして、ドレッシングのレモンには、ビタミンCが豊富で、美肌や風邪の予防効果が期待できます。身体や心がストレスを受けると気の流れが悪くなって滞り、気滞体質に陥りますが、レモンの皮には、気を巡らせる作用があります。
また、柑橘系は女性性とのつながりがあり、特にレモンは変化を受け入れる効果があるとされています。
年末年始、家族や親せき、友人たちとの楽しい行事や外食も多かったことと思いますが、一方で、心身にお疲れがたまっていらっしゃる時期ではと思い、このサラダにしてみました。
漢方では、一年を社交的な「陽」と内向的な「陰」の二つに分けていて、日照時間の短いこの時期は「陰」にあたります。そのため、心は内向的になりがちで、考え方が暗くなり、人と関わることにストレスを感じやすくなります。太陽の光を浴びる時間が少なくなることで減ってしまう「セロトニンの原料」と「ビタミンD 」の食べるとよいとされています。
参考資料:大久保愛 著「心がバテない食薬習慣」
そんなわけで、1月は「絶対、きのこ!」を使いたいと思っていました。
今回は、マッシュルーム、マイタケ、シメジの3種類のきのこをふんだんに入れました。きのこ類は、太陽の光でつくられたビタミンD が豊富に含まれています。
また、ビタミンD は脂溶性なので、脂と一緒に摂ると吸収がよくなることから、バターや生クリームを使うポタージュスープにしてみました。
そして、太陽の光が影響するセロトニンの原料はトリプトファン。
それは、卵に豊富に含まれています。
ビタミンC以外の心に必要な栄養素もそろっています。メニューの紹介としては、前後していまいますが、今回、その卵はデザートのファーブルトンで使いました。
ファーブルトンは、フランスの北西部にあるブルゴーニュ地方の伝統菓子です。
「ファー」には「牛乳で煮た粥」、「ブルトン」には「ブルターニュ地方」という意味がありますが、わたしたちが想像するようなお米を使ったお粥ではなく、小麦粉を牛乳で煮たシンプルなお菓子でした。
時が経つにつれて、卵など他の材料も使われるようになり、今では、卵、牛乳、砂糖、小麦粉、プルーンが使われることが多いようです。
ルーマでは、プルーンを紅茶で煮て、ラム酒で付けたレーズンなども入れた、焼き立てのファーブルトンをご用意しました。
焼き立ては、固焼きプリンに近い食感ですが、冷やすと生地の目が詰まり、もちもち食感になる卵と牛乳のコクが楽しめるスィーツです。
メインは、リヨンの郷土料理であり、フランス料理の代表的な一品、国民的なメニューである『鶏肉のワインビネガー煮込み』にしました。この鶏料理は、わたしにとっても思い入れ深いお料理です。
鶏肉は、肉類の中でも肉質が柔らかく、消化吸収がよいので胃腸に負担をかけません。また、お腹を温めて気を補うので、虚弱体質の体質改善や、体力回復にもよいと言われています。ワインビネガーには、疲労回復やがんの発生抑制、動脈硬化の予防などの効果があると言われています。
このお料理に関する思い入れ深いエピソードは、次の機会にお話ししたいと思います。
次回の月イチランチは、2月10日(土)です。
一年で最も寒い時期、寒暖差や気圧の影響で、心身にストレスがかかりやすい季節だからこそ、温かくて優しい栄養満点のメニューで皆さまをお迎えしたいと考えています。
寒さを感じるこの季節、心地よいひと時を過ごしに、ぜひお越しください。
どうぞお楽しみに。
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